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シンデレラ・ガラスの靴


 「シンデレラ」で有名な『ガラスの靴』。

シンデレラ城のある東京ディズニーランドでは、ミニチュアのガラスの靴が大人気で、
恋人に買ってもらうと幸せになれるというウワサもあります。
 
シンデレラはディズニーを始め、何度も映画化され、97年には日テレ系のドラマ「ガラスの靴」になり、
ハーレクイン小説のシリーズにもなり、パロディも多数だされ、当時は話題になりました。



こちらは、実際に販売されている、ガラスの靴の陶器です。
ミニチュアですが、物語でも見られるようにどれもキレイですね。


クライスト \9900(クッション含)     佐々木ガラス \3600     ディズニーランド(結婚式の指輪置き)




でも、本当にガラスの靴で王子様と踊れたのでしょうか?

 階段から落ちて脱げた時、ガラスは割れなかったのでしょうか。
「魔法使い」が金銀の布にダイヤをつけたドレスと、共にくれたのがガラスの靴でした。
「魔法使い」というところがミソですよね。

現代なみの高性能ガラスだったのでしょうか。今なら透明プラスチックを使った底やヒールもありますし、
Dr.マーチンのエアソールや、ナイキのエアクッションもあります。
はたまた、同じガラス系の強化ガラスや防弾ガラスなのか、炭素繊維、アラミド繊維か。
ヘルメットのようなFRP(繊維強化プラスチック)か、ペットボトルのようなものか。
謎は深まるばかりです。


しか〜し!!!!!!

ガラスの靴はガラスじゃない!!?

実はイギリスの有名な百科事典「ブリタニカ」に、
シンデレラの「glass slippersガラスの靴・室内履き」は、
フランス語の「 pantoufle en vair リスの毛皮の室内履き」の

「vair リスの毛皮」を、「verre ガラス」 と誤訳

したもの とあるのです。誤訳!?
vairは今はほとんど使われない古いフランス語で、発音もverreと同じらしいのです。
それにしても誤訳とは...。
映画でもガラスだし、ディズニーランドでもガラスの靴を売っているし…。

ちょっと、まってよ〜(´Д`;)
そこで、ガラスの靴についての疑問を解くべく、詳しくまとめてみました!






↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓

「ガラスの靴」論争

実は、この件については長年論争があり、フランスの文豪バルザック(姉妹ベッドなど・1799〜1850)も
1836年出版の著書でこの件について言及しています。
日本の澁澤龍彦(1928〜1987)もエッセーでガラスの靴にふれています。

「シンデレラ(灰まみれ)」は、元々ヨーロッパに広く伝わる民話を
ペロー(仏・赤頭巾など・1628〜1703)や、グリム(独・1786〜1859)が採話して出版したものです。
それ以前にも イタリアのストラパローラ(1501出版)や、
バジーレ(1575〜1632)が類似の物語を記しています。
バジーレはナポリ周辺で採話し、彼の死後、1634〜36年にかけて順に出版されました。

今では有名な魔法の杖で変身するカボチャの馬車や、12時までというドラマチックな設定は
ルイ14世時代のフランス・アカデミー会員でもあるペローが、
絶頂期の宮廷文化にそって、より上品に、よりドラマチックに修飾したものです。
この話を世界的に有名にしたのもペローで、
幾多の絵本やディズニーのアニメもこのペロー版にそったものです。

そのペローの1697年初版のタイトルは、「サンドリヨン(シンデレラ)もしくは小さなガラスの靴」で
en verre ガラス 」
になっています。

誤訳説は、ペローが採話時に聞き間違えたとするもので、ガラスで作った靴というのは
あまりに非現実的で、「リスのシルバーグレーの毛皮は当時、貴族しか使わない高級素材」だから
王家の舞踏会に行くというシチュエーションに相応しいというものです。
もちろん「ブリタニカ」に記載された影響も大です。

やはりガラスが正しいという説もあり、
スコットランドやアイルランドなどのペローより古い民話にガラスや水晶の靴が現れています。
魔法使いという異次元的な存在がもたらすのに「非現実性はごく当然のこと」で、
「こわれやすく透明なガラスは処女性を表す」ものと言われているし、
かぼちゃの馬車や12時までと同じ「ペローの創作」とするものです





グリムでは銀の靴と金の靴

怖い面が強調された本が一時期人気になった、ドイツのグリム童話。
グリム兄弟が歴史に残る著名な学者兼研究者でもあり、ペロー版より民話に忠実と言われています。
グリム版ではシンデレラの靴はガラスではありません。
3晩続けて通うことになる舞踏会の初日が、「絹と銀の刺繍がされた靴」で、
片方の靴を忘れる3日目は「オール金の靴」です。

グリム版には魔法使いは出てこず、衣装や靴は亡き母の精と思われる白い小鳥から貰い、
かぼちゃの馬車もなく、本人がお城に走っていきます。

怖さでいうと、シンデレラをいじめた異母姉妹は
妃選びの小さな靴を無理に履くため、母親にナイフを渡されて
姉は親指を切って履き、妹はカカトを切って履くという恐ろしい行動を取ります。
鳩に足が血まみれなので正しい妃ではないと、王子に告げられてしまいます。
婚礼に随行する途中では、鳩に鳥に目をえぐられて、失明してしまいます。




イタリアのバジーレ版は靴フェチ?

始めはナポリの方言で出版され、イタリア語版が出されたのは100年以上後の1747年です。
修飾語の多いこてこての文章で、やはり靴を落とした娘を王様が探すのですが、
「この世のものとも思えない豪華で美しい〜」とはあるものの、靴の素材についての記述はありません。

王様の独り言で
「足元がこんなに美しいのならその上はどんなにか素晴らしいことだろう」、
「私がこの靴を抱き、この腕に包み込もう」、
「靴よ、おまえは白く美しい足を閉じ込める箱だった」など長々続きます。

ペローより前のこの時代、
上流の女性は靴をオーバーシューズ(pattino)の中に入れて履く習慣があり、
落としたのはそのオーバーシューズです
前記の王様の独り言の中に「お前の背を15インチも高くした〜」という部分があります。
ベネチアの高級娼婦が履いたことで有名な超厚底の「チョピン」が流行したは16世紀で、
17世紀末から18世紀初期に流行したオーバーシューズ(pattino)はそれほど高くないのです
版が変わったり、何度も訳されているうちに「誤訳」があったのかもしれませんが、
イタリア版が出版された18世紀中期にはオーバーシューズの習慣も無くなっていました



16世紀 chopine          1700頃 pattino



最古の中国版シンデレラは金の靴


シンデレラに類似の民話は世界各地に多数あり、
中国のものはペローやグリムより断然古い9世紀
唐の時代の「葉限」で、元はベトナム辺の民話のようです。
日本の博覧強記な生物学兼民俗学者の南方熊楠(1867〜1941)が発見・指摘しました。

継母にいじめられる主人公の葉限は、「1本の髪の毛のように軽い金の靴」を
履いてお祭りにいきますが、やはり靴の片方を落としてしまい、その靴が縁で王様と結婚します。

この頃のベトナムや南中国の女性は、自分の履く靴を自分の足に合わせて他人には履けないほど
ごく丁寧に手作りし、刺繍もして、大切にする習慣がありました。
こんなオーダーみたいなチャイナシューズなら、確かに他の人の足には合いません。
つまり、妃選びで「シンデレラ以外は、誰一人その靴に合わない」というストーリーがここで合致します。
ミュールみたいな形の履物で、他の人は誰も足に合わないというのは、ちと無理がありますからね。

靴の素材でも、グリムと共通するこの「金の靴」の方が800年も古いわけです。
日本にも類似の民話「鉢かづき」「姥皮」があり、新潟の山間部にも言い伝えられている民話fがあります。


ディズニー版では呪文の歌「ビビディ・バビディ・ブー」が有名ですし、
「Somedaymy Prince will Come」、「A Dream is a wish your Heart Makes」も素敵な曲です。
ディズニー映画らしく動物が大活躍し、
脱出に協力してくれるネズミのジャック、ドレスをリフォームしてくれるメスネズミのスージー。
御者になる馬のメジャー、馬車の従者になる犬のブルーノなどが出てきます。
でも動物のおかげで、シンデレラは依存心の強い娘に変わってしまいました。





素材の変遷

@9世紀、南中国やベトナムの民話では「金の靴」
A17世紀、イタリア・ナポリで採話されたバジーレ版ではただ「豪華で美しい靴」
B17世紀末、フランスで採話されたペロー版では「ガラスの靴」(これが毛皮の誤訳か、ペローの創作なのかが長年、論争になった)
C19世紀、ドイツで採話されたグリム版では「金の靴」
Dフランス文化の影響が強い英国の翻訳本はペローのまま「グラス・スリッパ=ガラスの靴」(しかし、ブリタニカに誤訳と書かれた)
E米の童話、絵本、ディズニーは英語版のまま「ガラスの靴」
F日本の童話、絵本はペロー版か英語版の翻訳なので「ガラスの靴」





以上を踏まえて、いえる事は・・・




↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓



結論!!

歴史的にはシンデレラの靴は「金の靴」です!!
東洋でも西洋でも共通に高貴な「金」です。
ペローのガラスが誤訳かどうかかは、立証することができません。
ディズニーや絵本の影響で、ガラスの靴と思っている人がほとんどですし
夢のある「ガラスの靴」のまま、ファタジー性を残した方が良さそうですね〜。
ちゃんちゃん♪

《当時のスリッパ》

英・1700年頃               仏・18世紀末













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